肩こり、腰痛などの不定愁訴で多くの方が苦しむ現代。
慢性的なものに関しては、なかなか改善されずに厄介です。
慢性的な症状の大きな原因の1つが「筋肉の硬結(=筋肉が硬く動きにくくなっている)」と「血流の停滞」だということが昔から言われていますし、最近の科学でも明らかになりつつあります。
そしてこの2つは深く関わっています。
動かなくなった現代
私たち人間も動物。
動いてなんぼの動物です。
今ほど便利なものが無い狩猟採集を行っていた何万年も前と、体の作りは変わっていません。
しかしながら、移動は便利になり、生活の糧はデスクワークで得る。
こうした生物としての設定と、文明の発達とのギャップの中で、人が本来健康でいられるライフスタイルが失われつつあります。
動くということは、筋肉を動かし、体温と脈を上げ、血液を循環させることです。
それがあって初めて最適なバランスを保てるようになっています。
一日1万歩と言うと、今ではすごく歩いた気がしますが、車や電車が存在しない時代では当たり前の距離でした。
なんなら少ないくらいでした。
ほんの100〜200年前の江戸時代ですら、毎日のように10km近く歩く健脚な方が一般にもたくさんいました。
狩猟採集をしていた頃の私たちのご先祖様は、トップアスリートのような体をしていたそうです。
とはいえ、現代においてそれをしなさいと言うのは酷な話。
ならば少しでも運動習慣やケアの習慣を作り、筋肉の硬さを取り血流を改善することが大切になってきます。
筋肉に硬結があるとどうなるか
1日の中で同じ姿勢でいる時間が長いとか、体の使い方に偏りが出てしまっている、運動(特に歩く距離)が少ないなどの習慣では、筋肉に硬さが出てきます。
筋肉に硬さが出ると、骨や関節も引っ張られていきます。
さらにそれが連鎖して別の場所の筋肉や関節も硬くなっていきます。
筋肉が硬くなり、動きが悪くなると、その中を通る神経や血管も圧迫されます。
神経が圧迫されると神経痛になります。
また動かしたくなくなって、さらに筋肉は硬くなります。
血管が圧迫されると、血流が悪くなり、筋肉は虚血状態、酸欠状態になります。
するとさらに筋肉に栄養がいかず、硬さを生みます。
血流の停滞は痛み物質の分泌も促し、筋肉の痛みも誘発します。
痛いとまた動きたくなくなり、硬くなるという悪循環に陥ります。
また、全身の血流が悪くなることで、老廃物の蓄積や痛み物質の滞留が起こります。
これは痛みを助長するだけでなく、全身に毒素として停滞し、免疫力の低下、活力の低下、精神面での負の影響も招きます。
免疫力を高め、疲れにくい体にするためにも筋肉の状態を良くしておく必要があります。
血流の停滞は冷えの元でもあります。
冷えはさらに筋肉の状態を悪くします。
それだけでなく、免疫力の低下を招くため、万病の元であると言われます。
筋肉の硬さからくる血流の停滞が、痛み、そして全身のコンディションの悪化を招いてしまいます。
運動をする、湯船にしっかり浸かる、マッサージで筋肉を緩めるなどのケアは現代人にとっては欠かせないものになっています。